威厳の花言葉を持つシャクナゲが高嶺の花と呼ばれる理由

 

 

スペック
科:ツツジ科
属名:ツツジ属
学名:Rhododendron spp.
和名:石楠花(シャクナゲ)
英名:Rhododendron, Rosebay
原産地:ヒマラヤ周辺、中国、北米など
旬の季節:初夏
開花時期:5月~6月
誕生花:2月20、5月8日、8月2日、

 

 

シャクナゲ(石楠花)の特徴

 

ピンク、黄色、白などの派手で大きな花が特徴のシャクナゲ。常緑で葉には光沢があり、枝先には多数の花がまとまってつきます。

 

 

名前の由来

属名の学名→「Rhododendron(ロードデンドロン)」は、ギリシア語の「rhodon(赤orバラ)」と「dendron(木)」が語源になっている。

 

つまり、『赤い花をつける木』という意味になります。

 

しかし、当初は夾竹桃(キョウチクトウ)をこの名で呼んでいたといわれます。ちなみに夾竹桃は公害に強く、公道や高速道路などによく植えられている花です。

 

和名の石楠花(シャクナゲ)の由来には諸説あります。漢名の石南花を呉音読みした「しゃくなんげ」が転訛して「しゃくなげ」になったとか。

 

 

花言葉

 

・威厳

 

・警戒

 

・危険

 

・荘厳(そうごん)

 

 

花言葉の由来

花言葉の「威厳」「荘厳」ですが、これはシャクナゲの豪華で美しく咲き誇る姿に由来するといわれます。

 

「危険」の花言葉は、シャクナゲの葉が毒を含んでいることから付けられました。

 

「威厳」の花言葉は、近寄りがたいほど堂々として重々しいことを表しています。

 

・警戒→危険に対して注意をすること

 

・危険→身にふりかかる危ないこと

 

・荘厳→重々しく威厳があること

 

このようなニュアンスでしょうか。

 

 

花言葉のルーツ

 

ではなぜ、このような言葉が使われるようになったかというと、ルーツはヒマラヤ等の高山地帯にあるようです。

 

シャクナゲは元々、山の女王とも呼ばれる通り高山地帯に咲く花なのですが、高山に咲いているわけですから、当然のごとくシャクナゲを採りに行くためには危険が伴います。

 

ヒマラヤというと、標高は8000m級です。日本一の高さを誇る富士山が3776mと考えると、その標高の高さは想像を超えますよね。

 

なので、採りに行くためには危険が付きものですよという、そのままの意味が花言葉になったということです。
まさにこの美しい花を手にするためには「危険」があるので「警戒」が必要!

 

また、高山の奥地に咲いていることからこの「荘厳」な花に「威厳」を感じるということでしょう。

 

 

高嶺の花

さて、日本語ではとても手の届かないものに対して使う「高嶺の花(たかねのはな)」という言葉がありますが、この言葉は高山の奥深くに咲いているため、手に入れるのがとっても難しいシャクナゲから来ているとも言われているようです。

 

 

シャクナゲの毒

 

シャクナゲは葉にロードトキシンという毒が含まれています。万が一これを誤って食べるなどし体内に入ってしまうと、下痢や吐き気、呼吸困難を引き起こし、最悪の場合は昏睡状態に陥るという可能性もあります。

 

 

※注意

ちなみにシャクナゲには利尿効果があると言われたこともありお茶の代わりに飲んでいた人がいたそうですが、実際にはそんな効果はない!ということです。

 

間違っても飲んだりしないように注意して下さい。

 

そもそも利尿効果があると間違われた理由ってなに?と思いますよね。

 

シャクナゲを漢字にすると「石南花」と書きます。これが、漢方薬の「石南(オオカナメモチ)」と似ていたため勘違いされたからだそう。

 

見間違いって怖いですね。
花やキノコ類の植物というのは一種類でも様々な分類がされていますし、知らないで違う花と間違えるなんてこと、とても不思議ではないですよね。

 

 

シャクナゲの種類

 

シャクナゲは、なんと世界に5,000種類以上の園芸品種が存在すると聞くと驚きですね。

 

シャクナゲは園芸には欠かせない有名な植物。その中でも日本でも知名度の高い品種がたくさんあるので、この日本で有名な品種をご紹介。

 

《キバナシャクナゲ(黄花石楠花)》
高山植物で、シベリアや東アジアに分布。日本でも、北海道や中部地方などの高山帯に自生しており、登山中には普通に目にすることがあります。淡い黄色の花が特徴的。

 

《ハクサンシャクナゲ(白山石楠花)》
日本や朝鮮半島に分布。花色は白にやや淡い紅色がかった花。

 

《ネモトシャクナゲ》
白山石楠花(ハクサンシャクナゲ)の八重咲きのものを指すため、八重白山石楠花(ヤエハクサンシャクナゲ)と呼ぶこともある。福島県の県花にもなっています。

 

《アズマシャクナゲ(東石楠花)》
東北地方や関東地方に自生。赤紫色の花で、開花するにしたがって花色が薄くなるという特徴がある。この種の葉は、革のような独特な手触りである。

 

《ホンシャクナゲ(本石楠花)》
日本の固有種になり、日本のみに自生。四国や中国地方、近畿地方、中部地方の岩場などで健気に咲いています。

 

《ツクシシャクナゲ(筑紫石楠花)》
これまた日本の固有種で、日本のみに自生。四国、九州などの林の中などで淡いピンク色の花を咲かせています。

 

《屋久島シャクナゲ(屋久島石楠花)》

鹿児島県屋久島の標高1,500m以上にのみ自生する希少価値の高いシャクナゲ。多くが白色の花を咲かせる。

 

《ヒメシャクナゲ(姫石楠花)》
その名の通り、可愛らしいピンク色の花を付ける一種。別名、日光石楠花(ニッコウシャクナゲ)とも呼ぶ。

 

《エリモシャクナゲ(襟裳石楠花)》
北海道の襟裳岬周辺に自生。花はピンク色で盆栽などに多用されている。

 

《ホソバシャクナゲ(細葉石楠花)》
日本の固有種。静岡県と愛知県の県境付近に自生。日当たりの良い岩場に咲くこのホソバシャクナゲの葉だけは、なぜか細長いという特徴がある。花色は薄いピンク。

 

《マレーシアシャクナゲ(マレーシア石楠花)》
耐暑性も耐寒性もやや弱く、日本で育てるのはやや難しい植物。別名、熱帯石楠花と呼ばれ、熱帯地方に自生する一種。花色は、いかにも熱帯植物らしいオレンジ色や黄色。

 

 

 

 

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