さて、今回は湯灌における参加の仕方と、期待できる効果についてをまとめてみました。
まずは、おさらいとして湯灌を行う理由をもう一度お話ししておきますね。
湯灌(ゆかん)とは
湯灌とは、葬送の行事の中で一番はじめに執り行いたい大切な儀式です。
昔、私たちの祖父母や親が若い頃には、ぬるま湯を用いて亡くなられた方を拭きあげることを湯灌とされておりました。
もちろん地方では、現在でもこの形が湯灌とされ、そのしきたりに習い納棺師も『古式湯灌』という形を変えず行っています。
しかし、現在では技術の向上に伴い都心部では特に訪問入用のような最新の設備が整い、実際にシャワー浴のように全身を洗い流すことが可能となりました。
湯灌に求められる物理的な効果
○様々な要因で不衛生な状態にさらされているご遺体を綺麗さっぱりさせてあげたい。
と、いう洗浄効果が期待されています。
また、視点を変えた理由として……
○産まれたとき赤ちゃんが産湯に浸かるように、亡くなったあとは湯灌によって現世で抱かれた様々な煩悩を洗い清め流し次の世へ生まれ変わるためのお旅立ちの準備……
とも、言われていたりします。
また、その他の理由としては主に以下があげられるでしょう。
○体を洗うことや化粧など、湯灌に参加しご家族自身の手で故人さまに何かをしてあげたかった。
※(湯灌とは一連の儀式の中で故人さまのそばに寄り添える唯一参加型の時間といっても過言ではない。これは湯灌並びに納棺ならではの利得です)
○前回も湯灌をしてみて良かったので、今回もお願いした。
○全体の費用を考えたとき、祭壇や料理、供養のお品などにお金を掛けるより故人さまのためにお金を使いたかったから。
○お式費用の中にセットで組み込まれていたのでせっかくだから。
このように湯灌を利用される理由は様々です。では、参加できる具体的な内容とは?
手伝いたい、携わりたい家族のためのQ&A
湯灌をオススメするもうひとつの理由、それは……
「〜してあげたかった」を叶える時間のご提案。
考えつく要望を質問形式で答えてみましょう。
Q.髪の毛を洗ってあげたい。
A.お手伝いいただけます。
Q.洗体あげたいが、他の家族には身体は見えないの?
A.洗体のお手伝いは可能です。ただし、お身体の状態によってはお手伝いしていただけない場合もありますのでご相談ください。お身体はタオルで隠しますので他の方に裸は見えません。
Q.本人の化粧道具を使って欲しい。
A.喜んで使わせていただきます。(お顔色によっては専用の化粧道具と併用します)
Q.化粧をしたい。
A.可能です。どこまでさせてもらうかは納棺師と相談の上ご参加下さい。ただし、今後のお顔色の変化を考えるとベースメイクは納棺師に任せる方が無難かもしれません。
Q.毛染めをしてあげたかった。
A.生え際などなら対応できる事も。
Q.もみあげのカットとか、簡単なヘアーカットなら出来るの?
A.寝姿で見える範囲であれば可能。(納棺師の腕にはバラツキあり)
Q.マニュキュアを塗ってあげたい。
A.可能です。ご自宅からお持ちいただくのも良いでしょう。
Q.爪を切ってあげたい。
A.伸びていれば可能。
Q.遺髪、遺爪を形見に持っていたい。
A.可能です。ご相談ください。
お湯灌中にありがちな質問、Q&A形式でまとめてみました。この他にも、ご質問等々あればお気軽にメッセージください。
では最後に……
湯灌をオススメしない状況とは?
●故人の身体をどなたにも見られたくない
やはり湯灌とは、あくまで最後のお風呂ですから衣類はすべて着脱して行います。おそらくどこの湯灌師も女性スタッフがお世話をし、男性スタッフにも身体が見えないように配慮します。
とはいえ、誰かの手で大切な方に触れられることにすら抵抗を覚える方もいるかもしれません。
そのような場合にはあまり湯灌はオススメできません。
また、故人さまが湯灌を望んでいなかった場合や、恥ずかしがり屋だったことをご家族が気にされる場合なども同じです。
●見ていると心が辛くなる
当然、そういう方もいらっしゃるでしょう。お立ち会いは必ずしないといけないものではありません。スタッフに任せるのもひとつですし、お綺麗にしたい気持ちがあるようでしたら湯灌はオススメいたしますが、すでに綺麗なお身体でしたらお風呂までしてあげなくても良いかもしれません。
すみません、考えてみましたが正直あまりオススメしたくない状況が意外と思いつきません。。
それほど湯灌をすることで、少なからずご家族の心も故人さまの身体もきれいに洗われる。そんな気がしています。
このように。物理的効果も心情的効果も期待できる湯灌ですが、この記事をお読みいただいた方に
『参加』出来ること、
『期待できる効果』について少しでもお伝えできれば幸いです。
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