納棺時、棺桶(柩)に納める副葬品の選定方法[入れられるものと入れられないもの]

 

 

こんにちは、葬の助です。

 

いざ納棺をすることになったとき、柩(ひつぎ)の中に一般的には何を入れるのだろう?

 

と、まずはお考えになろうかと思いますが、なかには事前に亡くなられた方がご自分で副葬品の準備をしておられる場合もございますので、参考のために記事にしておこうと思いました。

 

まずは今回のテーマである『副葬品』ですが、亡くなられた方と共にお柩にお納めする物のことを指します。

 

▼よろしければコチラの記事もご参照ください。

 

■納棺時よく柩(棺桶)にお入れされるもの《副葬品紹介・定番品とオススメ品》

 

土葬だった頃の副葬品の意味

土葬が主流だったころの副葬品は「故人と一緒にお墓に入れるモノ」という考え方であったため、特に制限などもなく好きなものを選定していました。
亡き人の復活を願い硬貨や刀を入れるなど、地位や権力にふさわしい物品を入れたりしていたようです。現在では硬貨もあの世で使うお金として紙の紙幣や紙で作られた六文銭などを入れたりしますが、復活を願って入れるわけではない部分が昔との違いですね。

 

 

現代における副葬品の意味

火葬が主流になった現代、副葬品における選定の基準、前提は「燃え残らない」「故人の体と一緒に燃やせる」ものであることが条件となります。
なので「故人と共に納めるもの」という微妙な意味合いの違いから、副葬品とは「あの世で楽しく暮らせるようなもの、一緒に送り出すもの」という意味合いが強くなり、現代においては故人の好きだったもの、例えば嗜好品や愛用品、食べ物などを共に納めるということが一般的になっています。

 

 

副葬品は必ず入れなければいけないの?

例えば「柩に何かを入れてあげたいけれど何も入れるものがない、どうしよう?」と不安に感じられたり、申し訳ない気持ちになる方など……そのような勘違いをしている方が多くいらっしゃるのですが、そもそも副葬品というものは必ずしも入れなければいけないものではない。

 

という事を踏まえて話を進めて参りたいと思います。

 

 

柩に物を入れるとどうなるの?

愛用の品を2、3品ほどを入れるご家族もいれば、こんもりと多くの副葬品をご準備されるご家族がいらっしゃいます。
思いつくものぜんぶ入れてあげたい!と思われる気持ち、とってもわかります。葬の助も大好きなモノに囲まれて幸せそうな故人さまを何人も見てきました。

 

ただし!なんでもかんでも入れてしまうと、お骨上げのとき大惨事になっているかも……

 

実は、副葬品についてはかなり地域性があり、その地域によって規制が変わるのです。

 

亡くなられた方を火葬(荼毘にふす)する斎場ですが……
「ゆる~い斎場」「厳しい斎場」があります。

 

最近では火葬時の温度も高温になり、昔ほど時間をかけて火葬をしなくて済むようになりましたので、それほどの高温ですから一見ほとんどのモノが燃え残らないように思われがちです。

 

不燃物である金属類、ビン、陶器類などが入れられないであろうことは容易に想像ができると思いますが、まさか意外なものが燃え残ってしまうということを、わたしたちは知りません。

 

 

果物や本、ぬいぐるみなどが燃え残る?副葬品分類別の注意点

果物でも円形で水分の多いものは燃焼の妨げとなり時間がかかったりしますし、燃え残り易く、異臭を放つことも。いくら素材自体が可燃性のものでも、大きすぎたり多すぎれば燃えにくくなります。
どうしてもお入れする場合カットフルーツ、または半分にカットして入れるなど、工夫が出来ればより丁寧でしょう。

 

 

●燃えにくいもの

 

ぬいぐるみ→ 大きすぎるとNG

 

果物→ メロンやスイカなどの水分の多いものはNG

 

書籍→ 大量、または分厚いとNG

 

布団→ 分厚いものはNG…etc

 

たとえ燃えても大量の煤や灰が出たり、不完全燃焼を引き起こすかも。

 

また、書籍などはページをめくって挟み込むなどし、中に空気の通る道(空洞)を作れば燃えやすくなります。

 

 

●公害の原因となるもの

 

バッグ

 

靴などのビニール素材

 

毛皮革素材

 

発泡スチロール

 

プラスチック製品

 

ゴム製品

 

ポリエステル(化学合成繊維製品)

 

CD・カセットテープ

 

ゴルフボール…etc

 

プラスチックはお骨に付着し汚れたり色が付いてしまったりします。建前としては一切入れてはいけないのですが、プリンのカップなどの容器ほどのものであれば、多くの葬儀屋さんでも入れてしまっているのが実情かもしれません。

 

毛皮製品は一緒に火葬すると獣に生まれ変わるなどの迷信があったりするそうです。まぁこればかりは迷信は迷信でしょうね。

 

 

●破裂などの危険があるもの

 

ペースメーカー→病院で摘出してもらう場合もある。

 

ライター→嗜好品などのお供に入れるならマッチはOK。

 

スプレー缶

 

電池…etc

 

ペースメーカーが装着されている場合、事前に葬儀担当者へ申告しましょう。突然破裂するおそれがあります。ペースメーカー、義足、義手、手術用ボルトなどがある場合は届出が必要です。

 

 

●火葬炉の故障原因になる可能性があるもの

 

釣竿

 

ゴルフクラブ

 

スチール製の杖

 

竹や刀

 

テニスラケット等のカーボン製のもの
…etc

 

カーボンで出来ているものを入れると電気炉のヒューズが飛び機械を停止させてしまう可能性があります。

 

葬儀屋さんによっては金属類、陶器類、電池類などの常識を超えたものでなければなんでも入れてOKとされる葬儀屋さんもあります。

 

逆に厳しい斎場の決まりを守ってほとんど副葬品をお入れできない葬儀屋さんも存在しています。

 

先述したように自治体によって入れられるものが若干違ってきますので、迷った場合は葬儀社または各自治体へ相談しましょう。

 

 

特別に許されているもの

厳しいと言われる斎場でも、ほとんどの場合で暗黙の了解的に、特別に入れても良しとされているものがあります。

 

●本人の入れ歯
●メガネ
→ひとつならばOKであることが多い

 

ただし、入れ歯は付けたままで火葬するとお骨上げの際に取り上げる大切な喉仏(ノドボトケ)にプラスチックが付着して汚れてしまったりなどの心配があります。出来れば口から外して足元に入れるのがベターでしょう。ちなみに、入れ歯やメガネの燃え残りは一緒に骨壷へお入れされることもあります。

 

喉仏は納骨の際大切なものになります。また、入れ歯をお取りした場合、含み綿で整える方法があります。むしろその方がプラスチック製の入れ歯が入っている状態に比べ、より自然で綺麗な顔立ちになるでしょう。

 

 

入れられるが、控えたいもの

●写真

 

写真は副葬品として入れることは可能ですが、生きている者が写っている写真には気を配った方がいいかもしれません。なぜなら、あの世へ連れて行かれるから生きている者の写真は入れてはいけないなどという迷信が未だにあるからです。

 

とはいえ、亡くなった方の写真撮影や写真を納棺することも昨今では気にしない方が増えてきています。家族で相談して写真を入れるかどうかを決めましょう。
もちろん、もうすでにお亡くなりになった方やペットの写真は問題なくお入れできます。

 

さて、先ほども申しましたように地域や葬儀屋さんによっては大らかなところもございます。ですが、たとえ「金属類などの常識を超えていなければなんでも入れて大丈夫ですよ」そう言われたからといって、果たしてなんでもかんでもたくさん入れてしまうのはいかがなものでしょうか?

 

 

火葬場の職員の方の声

実際の火葬炉の中は一体どうなっているのかを火葬場の職員の方にお聞きしたところ、答えはこうでした。

 

「骨上げの際は酷い惨状」

 

「柩はゴミ箱じゃない」

 

果物ですら焼け残り、とてもじゃないがひどく汚い状態になっていることもあるようです。

 

とても安らかな眠りとは程遠いような言葉です。なんだか想像するとたまりませんね……。

 

近年、斎場職員が厳しくなるのも頷ける話だと思います。

 

入れてはいけないものを入れると実は裏で葬儀担当者さんが怒られるのですが、中には怒られる覚悟でどうしても入れたい品物を入れてくださる葬儀担当者さんも存在します。

 

また、担当さんによっては、親切心でどうしても入れてあげたいからと色々な工夫をしていただけることもあります。

 

お別れの気持ちを少しでも気持ちよく昇華するためにも、
《どうしても入れてあげたい大切なモノ》がある場合、そういったモノをいかに上手な形でお入れするか、工夫ができないかを考えたいものです。

 

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