ご安置ホテル・ご遺体ホテル・ラストホテルについて解説【葬儀難民】の増加について考える

 

 

さて、葬の助にお立ち寄りいただいているみなさん、『ご安置ホテル』というものをご存知でしょうか?

 

TVなどでも取り上げられたこともあるのでご存知の方もおいででしょうか。

 

怪しげな名称のこのホテル、実はなんてことはないそのままの意味でして、亡くなられた方をご安置するためのホテルのこと。
ラストホテル、ラステル、ビジテーションルームなどとも呼ぶ。

 

 

なぜ人口が減っているのに多死社会になっていくのか?

超高齢化社会に突入した日本。長寿の国として知られたこの日本では、年金、介護などと並行して数年前から新たな問題が勃発しているようなのです。

 

それというのもズバリ多死化社会。高齢化社会の次に訪れることが想定されている社会形態のことだ。人口の大きな部分を占めている高齢者らが平均寿命といった亡くなる可能性が自ずと高くなる年齢に達するとき、次々と亡くなる人が増えて人口の減少を引き起こす時期のことを指す。

 

多死化社会が抱えている新たな問題。
特に都内では火葬場を押さえることが出来ず、最長では1週間から10日かかるという。それはつまり、火葬場が予約でいっぱいの状況だということ。この火葬待ちの遺族のことを
「葬儀難民」といいます。

 

それはつまり亡くなられた方を火葬までのあいだ、どこへご安置しておくかという問題を意味しています。

 

 

なぜご遺体をホテルに?

亡くなられた方のお身体の状態の維持にも限界があります。

 

前回の記事で孤独で亡くなられるケースが増えていることをテーマに挙げさせていただきましたが、亡くなられてから時間が経過してしまうことは故人にとって重大な問題です。

 

▼前回の記事はコチラ。

 

■孤独での最期と『村八分』の言葉の中に見る現代葬儀の形とコミュニティの大切さ

 

もし、あなたの親が亡くなったとき、1週間以上も火葬出来ないと言われてしまったとします。そして更には発見が遅れてしまった場合のことを想像できるでしょうか?

 

さすがに自宅でずっとご安置しておくのは大変なことだと思いませんか?
近所への体裁もあるでしょうし、悲しいですが臭いなども充満するでしょう。

 

こういった問題を解決するために生まれたのが『ご安置ホテル』。

 

また、更に万全を記すため亡くなられた方の衛星保全に関してはコチラ▼の記事もご参照ください。

 

■エンバーミングの内容と効果[亡くなられた方のお身体を修復する圧倒的な技術]

 

ご安置ホテルは、万全な状態を確保し一時的な保管を可能とします。もちろん葬儀までのあいだ、故人との面会も可能。

 

自宅での長期保存が難しくなってきた現代においてはニーズの高いサービスなのかもしれない。

 

そもそも亡くなる人の数に対して火葬場が足りていない現状が問題視されているが、新たな火葬場の受け入れをしてくれる土地などない。

 

葬儀場の建設に関しても特に都会では住民の反対運動が起こりやすいのが実情です。

 

『コワイ』『縁起が悪い』『気持ち悪い』

 

など、負のイメージが根強く残っている。

 

葬の助としてはなぜ人は葬儀に関してここまで『負のイメージ』を持つのかわからない。いや、最も普通に生活している方からすればそういうものなのかもしれないが。

 

しかし、人が産まれる『産婦人科』があるのだから、亡くなったあと葬る場所『葬儀場』があるのは当然だ。誰も避けては通れず、我々もいつかそこの世話になる。そして、いつ最期がやってくるかは誰にもわからないのだ。

 

多死化社会を迎えるにあたって、人の最期に目を背けてはいけない時代が来ていると思う。

 

 

ご安置ホテルの中はどうなっているの?

さて、ここで本題に戻りましょうか。

 

気になるご安置ホテルの中はどうなっているのか。調べてみると3タイプの施設があることがわかりました。せっかくですので西日本、東日本から2箇所ピックアップしてみます。

 

 

ラストホテル
【ラステル】

場所:横浜市

ラステル久保山・新横浜

 

あの世に旅立つ人が、最後の一夜を過ごすホテルがコンセプト。少人数でじっくり見送りたい方向き。
10人までの葬儀が可能で僧侶が常駐ていることも特徴。故人到着後すぐに枕経を上げることもできる。
最大の売りは遺族が24時間いつでも面会可能なこと。さらに面会に訪れた際には専用のカードがあれば可能で面倒な受付がなく人と会うことがない。
立体駐車場式ともとれる冷蔵庫に安置された故人が運ばれてきて目の前に現れる。
面会室には常に生花が飾られ、香炉がある。ここで葬式代わりの「お別れ会」も行える。

 

・遺体搬送
・専属僧侶の読経(省くことも可)
・お化粧と納棺
・棺
・骨壺
・火葬料
・案内スタッフ1名
計29万円

 

その他にも
●面会室使用、別フロアの小さな部屋で小さなお葬式を行う家族葬プラン
(52万6,000円)
●別館「セレハウス久保山」を一棟まるごと貸別荘のように一晩使って翌日の葬儀「リビング家族葬」
(69万円)

 

 

ビジテーションホーム
【そうそう】

場所:神奈川県

ビジテーションホーム 『そうそう』

 

・本当に安置だけを目的としたスペースのみを提供している。
(遺族の宿泊は不可能)
最低価格は
1日(24時間)9,000円。
・9部屋を完備されています。
・建物に抗菌、抗ウィルス対策を施して衛生面にも徹底している。
・安置のみに徹底している。

 

お別れ室
座席数	10席
料金	27,000円
備考	お別れ用の個室

 

棺保管料
座席数	_席
料金	9,000円
備考	1日あたり

 

【感想】
コンセプトとしては、略式であっても質素ながら自由で、後悔のないお別れができる温かい空間を提供。とのことですが、施設もごくシンプルな建物で、葬の助的にも好感度高いです。

 

 

ご安置ホテル
【リレーション】

場所:大阪府

ご安置ホテル
リレーション

 

・遺族の宿泊は可能のよう。
・TV、DVDプレーヤー、電子レンジ浴室、冷蔵庫、ヘアブラシや歯ブラシ、化粧水やソープ類などのアメニティグッズ、ドライヤー、バスタオル、ウォシュレットなど完備。

 

こちらの施設は大きく分けて3つのプランになっているようです。

 

通夜、告別式を行わないプラン[火葬式]
185,000円(税抜)

 

通夜、告別式、火葬を行うプラン[家族葬]
450,000円(税抜)

 

告別式、火葬を行うプラン[一日葬]
300,000円(税抜)

 

お布施やオプション等が追加されて総額の金額は変動ありのようです。

 

通夜~告別式 80,000円
1日利用 60,000円
式場数  1部屋
安置室 1部屋(24時間以内)
30,000円

 

【感想】
普通の葬儀にも対応したご安置ホテルということでしょうか。安置のみですと、
1日料金が30,000円だということでしょうね。

 

どうやら、こちらの施設はご安置のみのホテルという感覚ではなさそうです。実はここ、かつてのファッション系のホテルを改装して作られたという噂がありますが、その外観からは想像が出来ません。

 

大阪には、一部葬儀社の保冷設備のある霊安室など以外で、東京における「そうそう」のようなご安置のみのホテルは、今現在は存在していないようなのです。

 

なぜなら、大阪は東京とは違い火葬場が混み合っても2日ほどだそうだからだ。

 

 

実際のところ葬儀難民って都内だけ?

そう、実際のところ「葬儀難民」問題を抱えているのは東京都周辺だけのようです。
ネットニュースなどで騒がれていますが、今のところは全国的な問題までには発展していないようす。

 

しかし、近い将来さらなる高齢者の大幅減少の時代を迎えることは間違いないでしょう。

 

来たるその時代に向けて葬儀業界も変化・対応し続け、消費者も現実から目を逸らさず、確かな知識を身につけておかなければいけないのではないでしょうか。

 

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