霊柩車の特徴
霊柩車の運転手さんって満タンに入ったコップの水をこぼさないように心掛けて運転していると聞いたことがあります。
乗っているときには加速も減速も全く分からず揺れないのだそうだ。車線変更のタイミングも体感できないといいます。赤信号でいつブレーキをかけたのか、気が付けば停止線できっちり停まる。
大正初期に「葬列は無駄」と日本初の霊柩車がとある葬儀社で導入された。当初は世の反感を買ったそうだが、徐々に受け入れられたようだ。
新型メルセデスベンツの霊柩車
美しい形をしたシルバーメタリックの高級車はもちろん外車だ。
この霊柩車は決して霊柩車っぽくなく、側面のウィンド枠が流線型にデザインされている。シブい……!
東京都港区株式会社セキュリコから発売されたのは『ユーロエレガンスデュオ』と命名された新型メルセデスベンツの霊柩車だ。
イタリアの新進気鋭のデザイナーによる設計で、ドイツ・メルセデス認証工場で製作されました。
希望価格は2,000万円前後の超高級車である。
高級車に乗り慣れた方のお見送りはやっぱり高級車で…!
そういう時代が来たということだろうか。
普通の霊柩車に比べて安定感が全然違う乗り心地だそうだが、もちろん葬の助は乗ったことはありません。笑
背面ドアを開けて内部を覗くと真ん中にストレッチャー台がある。囲む左右の側面と天井はレザー張りで、棺を置く下の部分は強化ガラスになっている。(万が一汚れてもサッと一拭きで綺麗が維持できます)
臭いも籠らず、証明はLEDだとか。
ボタンひとつでストレッチャーのレールはせり上がり、滑らせて送り出してくれるので女性でも軽々と作業をすることが出来るそうだ。
女性が活躍することが増えている葬儀業界においては無視できない装備です。
これが【第三世代】と呼ばれている高級霊柩車だ。
最もポピュラーな霊柩車「洋型」
では、この最新鋭の霊柩車が登場する前、現在でも最もポピュラーなのが「洋型」と呼ばれる霊柩車だ。
黒塗りや、時には白色のリムジンであったりするが、バン型、リムジン型、軽型とタイプは様々である。
一番みなさんがよく目にするタイプでしょう。
これが【第二世代】です。
セルシオ
プリウス
ヴェルファイア
エルグランド
アルファード
クラウン
アテンザ
シーマ
ハイエース
MPV
エリシオン
ステップワゴン
オデッセイなどなど……
これらのベースが霊柩車へと変貌を遂げている。
VIP仕様ともなるとハマー型のロングリムジン霊柩車があったりする。おそるべしこのラインナップである。
時代と共に消えゆく霊柩車「宮型」
最後に、車に神社を載せたような装飾が施されているタイプ。
最近ではあまり見かけなくなったひと昔前の霊柩車が「宮型」と言い、これが【第一世代】となります。
かっこいい宮型の厳荘な佇まい、みなさん一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。霊柩車を見たら親指を隠さないといけないなどの迷信が信じられていた頃はこの「宮型」タイプが主流だったことでしょう。重厚な彫り込みなんかが渋すぎる黒檀や白木のタイプ。
このいかにもな佇まいは、同時に縁起が悪いともされやすく、現代では宮型霊柩車の乗り入れ自体を禁止する自治体も出てきているそうだ。
その主な理由が「不吉」または「不吉をイメージさせる」からというボンヤリしたものだった。
それも致し方ないと思えたのは以下の理由。
土地開発が進んだことで、だいたい街外れにある火葬場へは、山道を通っていかなければいけなかった。
その山麓から山道にかけて宅地開発され住宅地となる。
しょっちゅうその道を「いかにも」な佇まいの霊柩車が走るとなると、「不吉だしやめてくれ」ということになったのだろう。
ましてやその前を野良の黒猫が横切りでもしたらそれだけでもめんどくさい文句が出そうである。
というわけで、せめて見た目では分かりにくい佇まいにしておくれ……というのがそれらしい流れではないだろうか。
ちなみに、霊柩車そのものに宮型の本体を付けるので、宮型タイプの霊柩車は通常の1,000万円以上も上乗せする金額になる。
ちなみに、霊柩車は葬儀社で持っておられるところもありますが、なんせコストが高いのでたいがいが外注です。そんな外注先ですら、今は「宮型」タイプは減少の一途だそうです。なかなかコストに見合うだけの需要がないのだそうだ。
人力の霊柩車
そして、まだまだちょっと田舎な集落では民営の火葬場が隣接していたりして、人力の霊柩車がまだまだ活躍している地域もあります!
これは宮型のような彫り物が入った上物を乗せてある人力の押し車のような形。これを押しながら火葬場へ向かう遺族の姿を見ていると、かつての葬儀形式である葬列を思い起こさせてくれます。これね、すごく格好良くて葬の助は好きだなぁ。
というわけで、今回は霊柩車についてのちょっとしたマメ知識のお話でした。
霊柩車にも今やこんなにも種類があるんですね~いや、オドロキです!
今回は箸休め記事でした。
さて、火葬場までの道のりを
「最期のドライブ」だなんていってしまう私、葬の助とはこういう者です。
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