亡くなった状況と行動(病院編) 病院で息を引き取った場合

 

 

今回は、身内が病院で息を引きとった場合の選択肢についての話しをしていきましょう。
生きている誰しもがいつまでも元気で、最後の最後まで住み慣れたお家で過ごせるかどうかはわかりませんよね……。

 

 

病院で息を引き取った場合

亡くなる前日まで『家で元気にご飯を食べていたけれど、最後は病院に運ばれて亡くなった』など、こういう話はよくあること……

 

最終的には、様々な原因で急に命を落とされる方が多くおられ、そのほとんどの方が病院に運ばれたあと臨終が確認されます。

 

救急医療の発達などにより『家で亡くなる』ということは、今の時代ですと、望んでいてもなかなか実現できるものではなさそうです。
さて、病院で亡くなるとそのあとはどうなるの?
まず、病院で亡くなると看護婦さんがエンゼルケアを行ないます。全身をクリームで保湿したり、顔剃りや体を拭いたり、詰め物などの処置、化粧などを施します。
最近では、納棺師によるプロの化粧が葬送の儀式に含まれることが増えつつあり、どこの病院さんでも上記のエンゼルケアの全てがなされるわけではありません。どうせ葬儀屋さんでされるだろうからと、まったく無処置の病院も多々あります。(エンゼルケアは別料金となり、病院により金額は違うそうですが金額は基本的には5,000~10,000円前後の病院がほとんどです)
エンゼルケアの簡単な解説
医師に亡くなったことを証明する診断書をいただき、およそ1時間もすれば『葬儀社は決まっておられますか?』と、看護婦さんがおそらく聞いてこられるでしょう。

 

その場合決まった葬儀社がなければ、病院から何社かを紹介されるかもしれません。

 

さて、ここで大変重要になってくるのは以下です。

 

 

故人の安置場所(搬送先)

大切な故人さまをどこへ連れて行きたいか、という判断を間違えると大きな失敗をしてしまうかも。
もちろん、全ての方が家に連れて帰りたいと思う訳ではないかもしれません。

 

中には家に連れて帰られると、近所の目も気になるという方もいるでしょうし、家に寝かせるスペースがないという理由もあるでしょう。また、お世話や介護などで心身共にお疲れの状態のご家族さまでしたら、ようやく肩の荷が下り、ろうそくの番は葬儀社へお任せし一旦家に帰って休憩されたい、ということもあるでしょう。

 

ここで重要!家族の中で最重要人物と、出来れば最低数人に連絡を取りましょう。
※もしここで1人だけに相談して、搬送先を決めてしまったらあとで移動したいと思っても、新たに搬送車(寝台車)を手配しなければならず、もちろん別途料金がかかります。病院から搬送車を使うだけで、すでに搬送費用はかかっています。

 

搬送車を手配するためには葬儀社に連絡をする必要があります。
しかし、搬送先をはっきりと決めておかなければ気がついたらその迎えに来てくれた葬儀社の会館へと誘導されてしまうかもしれません。
そうなると、だいたいの比率でそのまま葬儀の話が進み始めてしまいます。そして気がつくと見積もりが始まっている……そんな現実が待っています。葬の助も、わけがわかっていないご家族が実際会館へ連れてこられ、喪主となられる方に見積書が出されたのですが200万を超えていることに慌てられ「今すぐ葬儀社をかえる!」と怒って出ていく姿をお見かけしたことがあります。搬送後間もなくの出来事でした。
もし、葬儀をする場所をもう少しちゃんと調べたい!考えたい!
と思うのであれば『葬儀社はこれから考えますので搬送だけをお願いします』と強く言っても大丈夫なのです。
※搬送料金は距離で計算されますが、多く見積もって……
10kmで15,000円前後~
150kmだと5万円前後が相場。
1000kmを超える距離だとその搬送料金だけでおよそ30万円かかる計算です。

 

もちろん、話のままに進めた葬儀が全てダメな葬儀になるとは思いませんし、ダメな葬儀社だとも思いません。彼らもお仕事ですから

 

ただ、葬儀会館に一度連れて行ってしまうと、あとから故人を家に帰らせるのは一手間も二手間もかかり非常に困難だということは一目瞭然ですね。

 

なので、『安置場所』が決まるまでの間、可能な限り病院で時間を稼がせてもらうのもひとつかと。安置場所を決めかねているところを『いや困りますから、すぐ出て行ってください』とは言わないでしょう。
と、葬の助は思います。
とはいえ病院側もいつまでも安置部屋が空かないと迷惑かもしれませんが。。患者家族だって、病院にも多大な料金を支払っているわけですから。

 

 

ご遺体搬送先を葬儀社にする!メリット&デメリット
メリット
●部屋の片付け、お参りの準備などをしなくてもよい。

 

●控え室は広いことが多く、家族が集いやすい。寝ずの番なども交代でしやすい。

 

●無人にしても葬儀社には誰かがいるので安心して預けられる。

 

●お参りに来られた方の相手や、家の用事で慌ただしくすることもなく葬儀会館なら比較的ゆっくり過ごすことが出来る。
デメリット
●1泊料金が1日ごとにかかります。ここで葬儀をする!と決めても、次の日は斎場がお休みだとか、友引だから日を伸ばした方がいいだとか、遠い親戚がどうしても来たいというからそれまでは葬儀を執り行えない……などの理由で何泊かしないといけなくなる可能性があとから出てくることは十分に考えられます。

 

●家に連れて帰れていれば上記のお金はかからなかったことになります。(式の日取りが先送りになった場合、故人の状態が良ければ追加のドライアイス代くらいの加算料金で済むと思われます)

 

●家に帰ることが出来れば、自宅の中で家族での密接な時間を過ごすことが出来たでしょう。

 

 

メリット、デメリットを考えてみましたが、結局のところは、故人と家族の関係、近所や職場の関係とをよく考えて、ベストな《おくりかた》を見つけていただきたいと願います

 

 

都心部高級マンションでの例

余談ですが、こんな例がありました。
故人さまは101歳のおばあちゃんでした。
認知症もなく身体つきもしっかりしておられました。食欲旺盛でパワフルで、100歳を迎えたときには牛のしゃぶしゃぶを100gも食べたそうです。
このおばあちゃんは、寸前まで自宅で元気に過ごしていましたが、体調を少し崩し病院で最期を迎えられました。
病院の紹介で来られた葬儀社は、自宅から遠い会館にお連れするのはちょっとなぁ…と渋る家族さんを見て、その場でまず斎場が空いてるかどうかを聞いてくれたそうです。斎場は残念ながら予約が一杯で、葬式は2日後になることが即座にわかりました。
その時点で迷わず「家に連れて帰りたい」とのお気持ちを言えたのだそう。気持ちをはっきり言えば葬儀社もお気持ちに沿った行動を取りやすいですね。
「斎場が一杯だったおかげで、昨夜は家でこうしてお母さん(故人)と娘と私と3人で水入らずの時間をゆーっくり過ごせました。気のせいか、お母さん、不思議とだんだん穏やかな顔になってきたんです」と、娘さんはにこやかに笑った。
自宅に連れて帰ってもらった101歳のおばあちゃんは愛情をたっぷり受けて幸せそうな寝顔をしておられました。
その家は都心部にあるような高級マンションで、エントランスにはコンシェルジュがいるようなお宅でした。おしゃれなマンションは自宅の中にも棺を入れることができず玄関先の廊下で納棺をさせていただきました。いまどきのお家事情はなかなかこの大切な家族との別れである急な悲しみごとには優しくない原状です。

しかし今回のご家族の例では、人目を気にするよりも『もう一度おうちで家族みんなと過ごしたい』という想いが叶えられたことでご家族さまが心から満足できたのだと感じました。

 

 

今回はなんだか「家に連れて帰りたい派」に肩を持つ内容になってしまいましたかね。
いや、でも葬の助はやっぱり、望まれるのであれば家に帰らせてあげたい派ですので、中には共感される方がおられ、少しでもタメになる方がおられれば幸いでございます。

 

まあ、こういった内容の状況下で
ベストな答えを見つけようと思ったとき、やはり1番の理想は
【生前予約】【事前相談】による本人または家族の意思確認が最重要であることはこれからの時代、間違いないでしょう。

 

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