湯灌・納棺師の心得(仕事の向き不向きまで考える)/増える葬儀業界を志望する若年層

 

 

どうも湯灌納棺師、就活の葬の助です。今回は納棺師を志す人に向けて記事を書いていこうと思う。持論を交えて書いてます。いや、ほぼ持論なんですが……現役納棺師の意見として、よかったら参考にしてください。

 

 

職業としての葬儀・葬送現場の今

 

思えば納棺業界も葬儀業界も、ひと昔前はなかなか表に出てこない業種であった。ところが昨今では、消費者に対しる不透明さがクリアにされるなどし、多様な『サービス化』が進んでいる。

 

その勢いで、まるで光を浴びはじめたようにも見える葬送業界。いよいよ中学生が手にする将来の職業リストにも『葬儀社』の欄が追加されたのが証拠だろう。

 

この業界、今はまだキッザニア甲子園の中には無いものの、道を志す人たちが確実に若年化しているということを知っていますか?

 

籠屋と呼ばれた老舗の葬式屋も世代交代をして若社長たちが、目まぐるしい世の中の変化に対応すべく頑張っている。

 

葬儀社だけではなく、我々納棺師のような職業を志す者も年々増えている。その中には、驚くほど若い人材が志望していたりするが、大学を卒業して、このような職業の門を叩く人もざらにいる。

 

このように、昔とはちがい葬儀業界に入ること自体が、煙たがられるような職種ではなくなってきているのかもしれない。

 

さて、葬儀関係の仕事に興味を持ったら、まずはこの一冊を一読するといいだろう。様々な角度から現場のリアルが見えてくる。▽▽▽

 

 

 

納棺師の仕事に資格は必要?

 

基本的に現在は資格がなくても就職先があるのが現状です。ただし、ゆくゆくは資格がいるようになるなどの噂を耳にすることがありますので、多死化社会を迎えるにあたって、将来的に有資格になるのは時間の問題かもしれません。

 

実際、2013年創立の比較的新しい『おくりびとアカデミー』という学校では納棺士、湯灌士、エンバーマーの資格を取得することが出来るようになりました。

 

▼湯灌とは別物/エンバーミングの内容と効果[ご遺体を修復する圧倒的な技術]

 

しかし、現在では実質慢性的な人手不足と言われている業界であることに間違いはありません。

 

 

納棺師の仕事を志す者のタイプ

●親類や友人を亡くしたことがきっかけで志す。
●なぜか片親である確率が高い。(生活の為にやむなく苦行とも思われるこの仕事を選んだ結果、やり甲斐を感じのめり込む)
●この仕事をしている人は病んでるようなイメージがあるかもしれないが、むしろ逆で明るく前向きなタイプ(になっていく?笑)
●案外人見知りな人が多い。

 

 

納棺師になれず挫折する者

●第一挫折者は3日で決まる。
現実を見て拒絶反応が出る場合は続かない。が、余程でない限りここはほとんどの方がクリアできる。

 

●第二挫折者はいわゆる研修期間に潰れてしまう。覚えなければならない膨大な情報量、細やかな配慮、肉体的心労が重なってリタイヤしてしまう。しかし、これも意外と少ない。さほどの辛さは乗り越えられる。それほど魅力的な仕事なのだ。

 

●2年間続けられたら長く続く。年間およそ1000件という様々な案件を手がけ身につけたスキルに『手に職』という手応えを感じるようになる。

 

 

納棺師に求められる(有利になる)人間スキル

 

●見て学べるタイプが伸びる世界。
これは、練習という名目で故人さまを扱うことがなかなか叶わない、この世界ならではの裏事情だ。なので説明を受けただけで、理解し、実践できる能力はその人の成長を助長する。

 

●人生経験が豊富であること。
納棺師は様々な人生の終焉を迎えた故人さまとご家族に、そっと耳を傾ける仕事。何気ない遺族との対話や、細やかな気付き、心配りによって彼らの心をケアすることも大切な仕事。自分自身も様々な体験を経ていることは必ず役に立つ。

 

●化粧に興味を持つ。美意識があること。
女性であれば、自身の容姿にも気を遣える人。男性でも指先まで美しさを意識できる人が有利になる。体型よりも姿勢、所作が美しいこと。(大丈夫、今出来ていない人でも、仕事で叩き込まれます)

 

●研究熱心で、向上心があること。
十人十色とはよく言ったもの。故人さまは一人一人全て違うのです。日々が学びだと思い続けられる人。向上心がなければ成長は止まり飽きることもあるようだ。

 

飽きると言うと大げさだが、その要因としては、決して綺麗な部分ばかりの仕事ではなく、汚れ仕事も多いということが挙げられる。あまりどっぷり浸かると、ふと光の当たる仕事に憧れる人もいるものだ。

 

納棺業はあくまで光が当たる仕事ではなく、影で支える仕事だ。そこに面白みを見出せる人のみが力をつけて生き残れるのだ。(しかし!仕事中の納棺師は遺族から注目の的になる。ここでは主役に化粧を施す黒子として美しく存在感を出すべし)

 

 

ズバリ納棺師に向いていないタイプ

 

●空気が読めないのは致命的。

 

●飽き性。

 

●諦めが早い人。

 

●太りすぎている人。
……残念だが仕事に支障をきたすので本気で目指すならば、嘘は言わない、痩せてから志ざそう。

 

●すでに腰痛持ちな人。

 

●人体処置、縫合痕、傷痕などグロテスクなものに興味を持って納棺師を志す人。

 

●生や死にトラウマを抱えている人。

 

 

納棺業務の素晴らしさ

●嘘のような本当の話だが、こんなに心のこもった『ありがとう』をたくさん言ってもらえる仕事は他にない。

 

●死を意識して強く生きることができる。「生きよう」「食べよう」「帰ろう」「感謝」の気持ちが強くなる。

 

 

湯灌納棺師の心得

●ほどよく奉仕の心を持つべし。(持ちすぎてしんどくならないこと)

 

●暑くても!寒くても!重くても!涼しい顔でいるべし。

 

●フラットな気持ちで故人や遺族を迎えるべし。

 

●ケースバイケース、雰囲気によって上手に空気を使い分けるべし。

 

●所作・動作を美しく。

 

 

最後に

 

いかがでしたか?

 

納棺師の仕事は、先述したように決して綺麗なばかりの仕事ではありません。

 

ご遺族の悲しみによりそうだけではなく様々な臭いや状況に対応しなければいけない場面がたくさんあります。

 

なので、その暗いイメージからか慢性的な人手不足という問題を抱えている業界であるのも事実です。

 

しかし、納棺師を志す若い人材が増えていることも事実です。

 

思いのほか、どこの同業者さんも現場は明るくやってるようです。

 

未来を見据えてこの仕事を選ぶのも良し。

 

命の尊さを知るために選ぶのも良しです。

 

給料システムや勤務体制は会社によって異なるでしょうが、それなりに稼げる仕事です。

 

しかし、『それなりに稼げるから』というだけの理由で門を叩くのは一番危ないかもしれません。

 

まず、納棺師を志すなら、仕事内容に興味を持ちましょう。

 

『お金』だけではない仕事がここにはあるのです。

 

納棺師というものがいかに尊い仕事であるか?
納棺師というものがいかに難しい仕事であるか?
納棺師というものが自分に向いているか?
もし自分には向いていなくとも努力が出来るか?

 

そのことを踏まえて、興味を持った方はぜひ志してみてはいかがでしょうか。

 

 


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