お葬式の形式の違いによる良し悪し(密葬・家族葬編)

 

 

お葬式と一言に申しましても、みなさんご存知かもしれませんが、色々な形がありますよね。

 

そこで今回は、葬の助が感じている各お葬式の良い面と悪い面を挙げてみたいと思います。

 

今回は密葬と家族葬について考えてみましょう。

 

 

家族葬が選ばれる理由

家族葬という言葉ですが、これは新語で昔は家族葬という概念はありませんでした。一般葬が一般の方の弔問、会葬を受け付ける一方、家族葬は身内や親族、ごく近しい方々だけで行うお別れの儀です。

 

近年、家族葬が選ばれる理由としてあげられるのは高齢化に伴った需要だと言われております。

 

定年から亡くなるまでの期間が長くなったことで葬儀への職場、会社関係の参列者が少なくなったこと。高齢の方は介護施設で最期を迎えられる方が増え、訃報を伝える相手が減ったことで自然と家族葬が選ばれるようになってきたようです。
また、昔『密葬』と呼ばれていた形式に似ていますが、家族葬と密葬にも微妙な違いがあるようです。

 

 

密葬とは

●同居の家族および親族、近親者(二親等くらいまで)だけで密葬を行なった後、本葬を行うことが多いようです。
その方法は大規模な社葬、偲ぶ会、お別れ会と形は様々です。

 

●地方により異なるが、年末年始の期間12/30〜1/7の間は遠慮して先に密葬を行ったあと後日本葬をするなど。

 

●旅先または遠方で亡くなられた場合、火葬(荼毘に付す)をしてからお骨を持ち帰り本葬を行う。
※ちなみに遠方で亡くなられた場合、故人のお身体を美しく保つためのエンバーミングという保存方法もあります。

 

●急なご不幸などあまり亡くなった理由を公にしたくない場合にも密葬を選ばれます。

 

●孤独でのお亡くなりなりの場合などで、状態が悪い場合密葬を行うことも

 

 

家族葬とは

●葬儀のあと、原則としては特別本葬を行うということはありません。※しかしごく稀にお別れ会や偲ぶ会などが行われることはあるようです。

 

●密葬はごく近しい家族、訃報をお知らせした方のみ参列しますが、家族葬は実にその枠が曖昧です。
基本的に参列は同居の家族および親族、近親者(二親等くらいまで)、故人とごく親しくしていた知人まで連絡。とされていますが、連絡をしていない方の弔問、会葬への参列はあり得ます。香典は『故人の意思により辞退』とされることが通例です。

 

このように『家族葬』とはこういうもの。という大まかな説はありますが、実際は家族葬という枠なんかないという考えもあるようです。
家族葬はないってどういうこと?と思われますよね。

 

実は……
『家族葬は一般葬と同じ』
と考える人がいるということです。

一般葬で通常行われるであろう葬儀の流れの中から、またはオプションの中からたくさん引き算したものを家族葬と呼ぶようになったのではないか。ということです。

 

家族葬といっても喪主が希望さえすれば普通に供花やお供え、弔電もお受けしますし。会食は別会場となる場所で済ませ、葬儀社で用意されないことがほとんどですが、同日に初七日法要まで行うことが多いです。
なので、実際は家族葬と言いましてもピンキリで20万くらいで済むものから、100万以上。上は一般葬並みの金額がかかったという例は普通に耳にします。

 

とはいえ、ここまで家族葬の概念が広まると家族葬にも立派な個性が確立されてきた。ということでしょう。

 

ではここで家族葬についてメリットとデメリットを考えてみましょう。

 

 

家族葬をするメリット

1.家族葬という概念で式を行えば葬儀参列側も、葬儀進行側も気軽で気負わなくていい。(香典を辞退することが大きな要因かと)

 

2.堅苦しい形式にとらわれず、通夜を行わず告別式のみ行うことも可能。その際は告別式のみお寺さんが来ます。

 

3.習慣にとらわれず、むしろ故人ゆかりのある演出を考えたりしやすい。

 

4.近しい方々だけの参列ですので、濃密なお葬式が行える。

 

5.密葬ほど閉ざされていないので、参列しやすい。

 

6.サラウンド家族葬と呼ばれる形で、式場の真ん中に故人を安置し『お寺さんとご家族で故人を囲んでのお葬式』なども行う形も増えてきています。(一般的な葬儀では祭壇の前に故人を安置し、お寺さん、そして焼香台を配置されその後ろにご家族が座ります)

 

 

家族葬をするデメリット

1.家族葬だと聞けばどこまでの縁者が参列してよいのかイマイチわからない。

 

.家族葬で進めても葬儀社の家族葬専用式場が埋まっている場合があり、大式場を貸し出されることもある。
(少人数なのに大式場だと少し殺風景……)

 

3.逆に、各葬儀社の家族葬専用式場と呼ばれる部屋によっては極めて小さい空間であることも覚悟をしておかなければいけない事のひとつ。(家族葬式場、控室がどんな空間であるのかはご自身の目で確かめ、納得した上で決めるのが理想)

 

4.社会との希薄な別れ。生前のあいだ色んな方とのご縁があったのにも関わらず、知人への訃報のお知らせを欠くことも増えており、恩師や大変お世話になった方へ連絡がいかないことがあります。本来お葬式とは、家族が故人になりかわり生前にお世話になった方へのお礼の場でもあります。人との繋がり、人間関係は大切な財産です。ここでしっかりと連絡する方を見極めなければいけません。

 

※万が一連絡そびれてしまった重要な方がいた場合は改めてお手紙を書くとよいでしょう。写真や家族葬になった経緯などお伝えすれば心が取り紛れる葬送の中の出来事です。ご納得していただけるのではないだろうか。

 

上記のように恩師やお世話になった方々がたくさんいることが安易に予想されるのであれば、密葬でなくともそれこそ改めて『お別れの会』などを企画するのもひとつです。家族葬だからといって必ずしもお別れ会をしてはダメという決まりはないですからね。

 

世の中には色んな人がいらっしゃいます、葬儀を執り行う家族側と故人との関係は希薄なのに、社会的にはとても貢献され大勢の方に親しまれておられた方もいるでしょう。

 

しかし、たとえどんなに人生の90%を社会的な立ち位置で生きていたとしても、お葬式を行うのは皮肉なことに家族なので決定権は他人にありません。

 

余談ですが、先日葬の助は韓国の方のお仕事をさせていただきました。

 

故人は親も子もおらず生涯独身、独り身で最期の時を迎えました。
しかしこの方は踊りの講師をしており、若い生徒さん達が4名でお金を出し合い立派なお葬式をあげられました。

 

お一人で生きてこられたにもかかわらず、このような幸せな送られ方は稀ではないでしょうか。

 

増え続ける孤独な高齢者の最期にどう対応していくのかも本気で考えていかなくてはいけない時代が来てるのだなと思わされます。

 

家族葬のことを考えてみましたが、今後日本人はいままでのような生き方では生きにくい時代になり、お葬式のあり方も大きくかわっていくのだろうなと感じている葬の助です

 

このサイトが継続され、お葬式の過去・現在・未来の『今』を書き残していければと願っている。

 

 

▼参考までにこちらのリンクもどうぞ

 

■お葬式の形式の違いによる良し悪し(一般葬編)

 

■お葬式の形式の違いによる良し悪し(直送編[火葬式])

 

■お葬式の形式の違いによる良し悪し(自宅葬・マイホーム葬編)

 

■お葬式の形式の違いによる良し悪し(社葬・合同葬・お別れ会編)

 

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